洋上風力発電のメリットと課題

洋上風力発電は世界的に注目されている発電方法の1つですが、日本でも実用化に向けた実証実験が行われています。
従来の陸地に設備を設ける風力発電とは異なり、海の上で電気をつくり出すことで様々な恩恵があることを知っておくと良いです。
魅力が多い発電方法ですが、課題だとされている部分もあるので、メリットと一緒に課題まで知っておくことをおすすめします。

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クリーンな発電を実現することが可能

海の上で電気をつくることができる洋上風力を用いるのであれば、他の再生可能エネルギーを利用した方法と同様にクリーンな発電を実現することが可能です。
火力発電のように化石燃料を燃やして二酸化炭素を排出することがないので、地球温暖化に繋がる温室効果ガスの発生を抑制することができます。
地球温暖化の進行を食い止める効果が得られるだけではなく、化石燃料の使用量を減らすことで限りある資源の消費スピードを遅くするというメリットを得ることもできるでしょう。

陸地に設置する必要がない

もちろん、他の再生可能エネルギーを利用した発電方法では得られなかったメリットを感じることもできます。
たとえば、陸地に設置する必要がないことは大きなメリットの1つです。
日本は国土面積が小さい国だと言えます。
普段生活しているときには気にならないかもしれませんが、実は国土面積が広い国と比較すると不利になってしまう部分も多いことを知っておくべきです。
国土面積が狭ければ、その分建設することができる施設や設備が少なくなります。
発電に関してであれば、国土面積が狭いことで太陽光発電や従来の風力発電は十分な設置場所を得ることができません。
広大な土地を有している国であれば広い陸地が必要となる発電方法でも、問題なく取り入れることができます。
日本では太陽光発電などを十分取り入れることは難しいですが、洋上風力であれば海に設備を設置できるので国土面積が小さい国特有の問題が解決できるでしょう。
排他的経済水域が大きい日本の場合は洋上風力もたくさん導入しやすいというメリットもあります。

太陽光や地熱を利用した方法よりも発電効率が良い

太陽光や地熱を利用した方法よりも、発電効率が良いという魅力があることも理解しておきましょう。
それぞれの方法には目安となる発電効率がありますが、その中でも風力発電は効率が良いほうだとされています。
ですが、従来の陸地に設置するタイプでは天候によっては十分な風を集めることができず、ブレードが回らないので十分電気をつくることができないということもありました。
洋上に設置する場合は陸地よりも風を受けやすいので、しっかりとブレードを回すことができます。
陸地で実施する場合も他の方法より効率が良いと言われることが多かったのですが、海上で実施すれば更に高い効率を期待することができるでしょう。

騒音問題と景観問題が起こりにくくなる

騒音問題と景観問題が起こりにくくなることも魅力的なポイントで、陸地の風力発電ではこうした問題が起こることが少なくありませんでした。
住宅などと距離が近いことで、ブレードが回るときの音や大きな設備が景観を損ねることが問題視されることが多かったのですが、海の上に設置する場合はこれらの問題が起こりにくいです。
距離が離れていれば騒音による苦情が出る可能性が低くなりますし、陸から数km離れた場所に建設するので景観を損ねにくいと言えます。

海の中にいる生き物や海上を飛ぶ鳥に与える影響について

このように洋上風力にはたくさんの魅力がありますが、まだ課題もいくつかあることを理解しておかなければなりません。
現在に至るまでは実証実験の際に特に大きな問題が起こっていませんが、海の中にいる生き物や海上を飛ぶ鳥に影響を与えることがないかどうか問題視されています。
これからも実証実験を続けていく中で問題がないことを証明する必要がありますし、万が一の場合に備えて魚や鳥に影響を与えることがないような仕組みも確立しておくべきです。

設備を設けるためには莫大なコストが必要

既存の方法からこの発電方法に切り替えるためにはたくさんの設備が必要となりますが、設備を設けるためには莫大なコストが必要となります。
初期投資として仕方がないことではありますが、スムーズに導入を進めていくためにも設備のコストを削減することが課題だと言えるでしょう。
また、位置を工夫すれば問題ないと言われていますが、低周波数の音が近隣住民に悪い影響を与えることがないかどうか調査を進める必要があります。

まとめ

海の上で電気をつくることができる洋上風力は、従来の風力発電や他の再生可能エネルギーを利用する方法と比べても魅力が多いものだと言えるでしょう。
実証実験が無事に終了し、全国的に広く導入されるようになっていけば、この方法で安定した電力を得ることができるようになります。
日本では2050年を目標にこの発電方法の導入を推進していこうという動きもあるので、今後も新しい情報を積極的にチェックしておくことがおすすめです。
メリットと課題の両方を確認して、これからますます注目される発電方法についてしっかりと理解を深めておくことが大事だと言えるでしょう。

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最終更新日 2024年7月16日